内閣総理大臣メッセージ
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内閣総理大臣
岸田 文雄
『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』の開催、誠におめでとうございます。
はじめに、新型コロナウイルス感染症との闘いが続く中で、医学の進歩に向け、皆様が日々取り組まれていることに心より敬意の念を表したいと思います。
我が国は、世界最高水準の平均寿命を達成し、これからは、人生100年時代の到来を見据え、子どもから子育て世代、お年寄りまで、全ての方が支え合う、持続可能な全世代型社会保障の構築が大きな課題となっています。
政府では、これまでも、全閣僚からなる健康・医療戦略推進本部の下、医療分野の先端的研究開発や新産業創出等を推進し、健康寿命の更なる延伸の実現に向けた取り組みを進めてまいりました。中でも、昭和56年から死因の首位を占めてきたがんについては、平成30年に第3期の「がん対策推進基本計画」を閣議決定し、①科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実、②患者本位のがん医療の実現、③尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築を全体目標に掲げ、取り組みを進めています。
また、近年、個々人に最適化した患者本位のがん医療として「がんゲノム医療」が注目され、本年6月に策定した成長戦略においても全ゲノム解析等の推進が盛り込まれています。全ゲノム解析等実行計画及びロードマップ2021を患者起点・患者還元原則の下、着実に推進し、これまで治療法のなかった患者に新たな個別化医療を提供するとともに、産官学の関係者が幅広く分析・活用できる体制整備を進めてまいります。
加えて、がんを患った方々が生きがいを感じながら働き続けられる社会を目指し、「働き方改革実行計画」に基づき企業の意識改革や両立を可能とする社内制度の整備促進や企業、医療機関と連携する両立支援コーディネーターによるトライアングル型のサポート体制の構築など、治療と仕事の両立に取り組んでいます。
今後とも、健康寿命の延伸、健康サービス産業の育成、経済社会の担い手増加の「3方良し」を目指し、民間活力を生かした「予防・健康づくり」の促進にも取り組んでまいります。
最後に、がんを克服し、活力ある社会を形成していくため、本会合がご参加の皆様にとって実り多きものとなることを祈念いたしまして、私のメッセージといたします。