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世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA 公開セカンドオピニオン

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公開セカンドオピニオンとは、当日、ステージに登壇する下記の先生方に皆様から直接ご質問をいただき、がん医療に関するお悩みにお答えするというご来場者参加型の企画です。
『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』では新型コロナウィルス対応のためステージにご登壇頂く医師の皆様の人数を例年よりも絞らせて頂きます。
いずれの医師の方も日本が世界に誇る精鋭の皆様ですのでどうぞご安心してご質問を頂けますと幸いです。
当日は『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』が適用するサミット・ルールに則り、お互いに快適にお過ごし頂くよう、皆様のご協力をお願い申し上げます。

名古屋大学 名誉教授
名古屋セントラル病院 院長
医学博士
中尾昭公氏

中尾昭公

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主な経歴

昭和23年1月
岐阜県恵那市生まれ
昭和41年3月
岐阜県立恵那高等学校卒業
昭和48年3月
名古屋大学医学部卒業
昭和48年4月
愛知県尾西市民病院外科研修
昭和50年7月
岐阜県立多治見病院外科勤務
昭和55年7月
名古屋大学医学部第二外科 帰局
肝臓研究室所属(肝・胆道・膵外科)
昭和58年8月
名古屋大学医学部第二外科文部教官助手
昭和62年4月
同 文部教官講師
平成 元年9月
米国ピッツバーグ大学外科留学
平成2年7月
名古屋大学医学部第二外科文部教官講師に復職
平成4年3月
名古屋大学医学部第二外科助教授
平成11年2月
名古屋大学医学部第二外科教授
平成18年5月
名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学教授
平成23年3月
同 教授退任
平成23年4月
名古屋セントラル病院院長就任
現在に至る

膵癌を中心とした消化器悪性疾患の診断、外科治療に従事。腫瘍マーカー、癌免疫組織化学、癌遺伝子診断と治療、肝移植、血液凝固、エンドトキシン、抗血栓性材料、ヘルペスウイルスを用いた癌治療等の研究を手掛けてきた。とくに膵癌手術において、1981年に抗血栓性門脈バイパス用カテーテルを開発、門脈カテーテルバイパス法を考案。1992年にはMesenteric Approach(腸間膜到達法)など多くの新手術術式を確立してきた。難治癌と言われる膵癌手術において手術成績の向上をもたらし、外科治療分野への著しい貢献を果たしている。門脈バイパス用カテーテルは、医学における歴史的意義を有し、科学技術の進歩に貢献する医科器械として認められ、財団法人日本医科器械資料保存協会の医科器械史研究賞を受賞(2008年)、また、癌に対する外科治療の功績が認められ第19回一般社団法人日本癌治療学会中山恒明賞を受賞した(2013年)。
 臨床活動の他、日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本癌治療学会をはじめとする外科系や癌治療に関する国内の多くの主要学会で理事、評議員等の役員を歴任。第110回日本外科学会定期学術集会会頭、第41回日本膵臓学会大会会長を務めた。海外でも業績を認められ、タイ王立外科学会(Royal College of Surgeons of Thailand (2008))、エジプト外科学会(Egyptian Society of Surgeons (2010))、ヨーロッパ外科学会(European Surgical Association (2011))、フランス外科学会(French Surgical Association (2011))、スペイン外科学会(Spanish Society of Surgeons (2015))、セルビア外科学会(Serbian Medical Academy (2016))等から名誉会員の称号を授与された。平成30年10月には第104回米国外科学会(American college of surgeons)において日本人として17人目の名誉会員に選出された。
 現役外科医として外科治療に、また若手外科医への手術指導に積極的に従事している。現在、名古屋大学在籍中に開発したMesenteric Approachが、従来の手技に比較して膵癌術後の生存率に優位性を認める研究結果が発表され、さらなる検証を行うべくMAPLE studyとして多施設合同臨床試験が進められている。

ご来場の皆様へのメッセージ
膵頭部癌に対する基本的な手術術式は膵頭十二指腸切除術(PD)であり、1940~1950年代に完成され、私が医学部を卒業した1973年の頃は「膵癌の診断」イコール「死の宣告」の時代であった。
またPDは術死率も高く、難易度も高い手術であった。膵頭部癌は容易に門脈(腸管や膵・脾臓の血流を肝臓に送る血管、1分間に約1リットルの血液が流れる)に浸潤し、「門脈に浸潤した癌には手を出すな」と言われていた。
早期診断法はなく、進行癌で発見され切除術も困難で、また診断時は遠隔転移を伴うものも多く膵癌手術切除率は極めて低かった。局所進行癌で切除困難な理由の一つは、門脈の合併切除再建があった。
当時、安全な門脈遮断法は確立されていなかったし、血管外科に習熟している消化器外科医はほとんどいなかった。私は門脈の安全な遮断法として血液の凝固しない人工材料より管を作成し、門脈血を門脈遮断中バイパスする門脈カテーテルバイパス法を1981年に開発した。
この手技によって門脈遮断は時間的制約から解放されて、門脈は安全に切除再建可能となった。そして切除率は上昇したが尚、術後も再発で死亡するものが多かった。さらにメセンテリックアプローチという手術手技を1992年に開発し、膵癌へ流入する動脈をすべて結紮切離後、膵癌より流出していく静脈をすべて結紮切離して癌を取り除くという、癌には触れないで最小限の出血で癌細胞を術中に血中へ揉み出さない手術(mesenteric approachによるnon-touch isolation下の膵切除術、isolated PD)が完成した。
これらの手術手技の開発によって局所進行癌も安全に切除できるようになってきたが、この手技には熟練を要する。切除率は上昇したが膵癌の治療成績は著明な向上を認めなかった。しかし最近の抗がん剤の進歩により、術後抗がん剤を使用した補助化学療法で、切除後の成績は向上がみられるようになった。
また従来、切除不能とされてきた局所進行癌に対しても術前に抗がん剤や放射線療法を加えることにより切除術に至るという、conversion surgeryが適応される症例も増加してきた。このように外科手術の進歩はいうまでもないが、手術に加えて各種補助療法を加味することにより、膵癌の外科治療成績は向上しつつある。
膵癌外科治療経験40年の変遷を振り返り、過去、現在、未来の外科治療について述べてみる。
『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』ご来場の皆さんのご質問を心よりお待ちしている。

大阪市立大学大学院医学研究科医学研究科長・肝胆膵病態内科学教授
河田則文氏

河田則文

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職歴等

1986
大阪市立大学医学部卒
1987-1991
大阪市立大学大学院医学研究科、博士課程(社会医学系専攻)、医学博士
1991-1992
フライブルグ大学(ドイツ共和国)生化学研究施設、客員研究員
1993-1994
大阪市立大学医学部附属病院研究医
1994-2002
大阪市立大学医学部第3内科、助手
2003-2004
大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学、講師
2005-2006
大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学、助教授
2007-現在
大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学、教授
2015-現在
University College London (UCL), Visiting Professor
2019-現在
ハノイ医科大学(ベトナム社会主義共和国)、名誉教授
2020-現在
大阪市立大学大学医学部長、大学院医学研究科長

学生の頃から炎症に関心を持つようになり、教育、診療を行いながら基礎研究を約35年間継続して行っている。研究のテーマは「臓器線維化が生じるメカニズムの解明とがん発生母地としての線維化の役割」。この研究過程で「サイトグロビン」という哺乳類第4番目のグロビン蛋白を発見し、このタンパク質研究における世界の第一人者。

ご来場の皆様へのメッセージ

2019年の「国立がんセンターがん統計」によりますとがんによる死因の第4位が膵がん(36,356人)、第5位が肝がん(25,264人)であり、肝臓や膵臓のがんは日本に多いのが特徴です。一方、5年相対生存率は膵がんが約8%、肝がんが約35z%であり、両者ともがんになると治療を行っても長期生存が難しいがんです。
世界的に見てもオックスフォード大学の2017年のデータによると肝がんが819,435人(第4位)、膵がんが441,083人(第6位)となっています。肝臓と膵臓は胆管という胆汁の流れる通路で相互に、また、腸管とも繋がっています。肝臓の場合、臓器に炎症を生じる原因としてB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アルコールの過剰摂取、脂肪肝などが分かっています。

従って、これらの原因に対する対策を行えば慢性炎症に基づくがん発生が抑制できますので、がんの予防という観点から、原因療法が行われてきました。即ち、B型肝炎に対する核酸アナログ製剤によるウイルス制御、C型肝炎に対しては直接作動型抗ウイルス薬(DAA)でのウイルス排除です。また脂肪肝に対する治療法開発が腸内細菌との絡みで進んでいます。

その結果、肝がん発生や死亡は近年低下傾向に転じています。その一方、膵がんの危険因子として遺伝子要因、アルコール多飲、喫煙、2型糖尿病などが上げられていますが、まだ未解明の点が多く、根本的治療法がなく、研究の進展が待たれます。
肝がんも膵がんも、単発で早期に発見されると根治が目指せますので早期発見に努めることが重要です。医療サイドでは血液や画像検査の充実や早期診断マーカー開発が求められます。また、住民の方にはがん検診を年に1度は受けていただきたい。早期発見すれば低侵襲治療(手術)で切除できます。

即ち、腹腔鏡手術ができれば翌日からは歩行でき、約1週間で社会復帰できます。肝臓の場合、手術ではなく超音波検査下に腫瘍を見ながらラジオ波などを使って焼灼療法すれば数日中に退院できます。発見が遅れてがんが進行すると予後が悪くなりますが、それでも近年の化学療法の進歩は目覚ましいものがあり、時にはがんが消失するケースも出てきました。

いずれにしても、肝がんや膵がんにはまだ不明な点が多いため、腸管とのクロストークも含めて基礎研究を続け、がん発生のメカニズム解析とそれに基づくがん予防法の開発が必要です。また、手術や局所療法、化学療法の更なる技術開発が期待されます。

『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』では皆様のご来場とご質問を心よりお待ちしております。

大阪国際がんセンター 乳腺・内分必外科 主任部長
中山貴寛氏

中山貴寛

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1990年に奈良県立医科大学を卒業後、大阪大学医学部第二外科(現消化器外科)に入局。

一般外科研修の後、1994年から大阪大学大学院において、また1998年から2年間、米国John Wayne Cancer Instituteにて癌の発生・進展に関する研究に従事。
2005年には米国 MD Anderson Cancer Centerに留学し、乳癌のチーム医療を学ぶ。
2008年4月から2012年3月まで大阪大学大学院医学系研究科 乳腺内分泌外科に勤務。
2012年4月より大阪府立成人病センター(現病院名:大阪国際がんセンター)乳腺・内分泌外科 副部長、2016年同施設 主任部長に就任。
2020 年4 月より乳腺センターを新設し、乳腺センター長として乳癌診療におけるチーム医療の推進、新しい薬剤や治療法の開発を目的とした治験や臨床試験の実施、さらに乳癌治療の個別化にむけた基礎研究など、多岐にわたる活動を行っている。

読売テレビ
おはよう!ドクター、情報ライブ ミヤネ屋、かんさい情報ネットten.、朝生ワイド す・またん!、news every.などに出演

ご来場の皆様へのメッセージ

国立がん研究センター がん情報サービスの最新のがん統計によると、9人に1人が生涯乳がんに罹ると報告されています。日本の女性の罹るがんの中で第1位であり、ますます欧米の乳がん罹患率との差が縮まってきています。
しかし、先日発表された乳がんの10年生存率はI期:99.1%、II期:90.4%と非常に良い成績でした。つまり、乳がんは罹患率の高い病気ですが、早期(I期、II期)に発見すれば高い確率で治癒を目指すことのできる病気であることがわかります。

乳癌は大きく分けて4つのタイプに分類され、それぞれのタイプに適した治療法(ホルモン療法、化学療法、抗HER2療法など)がガイドラインで推奨されています。さらに、乳がんの再発リスクを考慮して治療の強さ、つまり、抗がん剤治療を行うか否かを決定します。

一般的に手術可能な患者さんのうち、半数を超える患者さんが手術前後に抗がん剤治療が必要と判断されます。ご存知の通り、抗がん剤治療には脱毛や吐き気、骨髄機能の低下に伴う発熱、口内炎など様々な副作用を伴います。しかし、薬剤や医療機器の開発により、多くの副作用が適切にコントロールされるようになってきました。

皆さんが心配される吐き気はかなりの割合で制御できるようになりましたし、骨髄機能を維持する薬剤も開発されたため安全性も格段に上昇しました。最近では、脱毛予防の医療機器も開発され、ある一定の条件を満たす患者さんでは、その機器を用いることにより、脱毛を抑制もしくは、たとえ脱毛が起こっても短期間で回復するようになってきました。

手術療法においても、様々な選択肢が提示できます。早期に発見することによって、乳房の整容性をできるだけ保ちながら、乳房を温存することも可能になりました。また、切除範囲が大きく整容性が損なわれる場合には、乳房再建という選択肢も提示できます。

ここまでに述べてきたように、乳がんは早期発見と適切な治療によって治癒が可能な病気です。そして、様々な薬剤や医療機器の開発によって、治療による肉体的および精神的な負担もかなり軽減できるようになってきました。乳がんに対する漠然とした不安によって受診をためらう必要はありません。私たちにその不安をぶつけていただければ、皆さんを最善の治療に導くことができると思います。『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』の公開セカンドオピニオンが、乳がんを正しく理解し、最善の治療を受けていただくためのきっかけとなれば幸いです。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学教授
食道がん・テロメライシンウイルス療法及びすい臓がん等の治療に向けた次世代テロメライシンウイルス療法の開発
藤原俊義氏(リモート参加)

藤原俊義

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  • 1985年岡山大学医学部卒業。岡山済生会総合病院などで研修後、同大大学院を1990年修了し医学博士取得。1991年より3年間、米国テキサス大学MDアンダーソン癌センターに留学し、アデノウイルスベクターを用いたがんの遺伝子治療開発に従事する。帰国後、岡山大学病院で臨床と研究に携わり、2010年 岡山大学大学院消化器外科学教授。2011~2019年 岡山大学病院 副病院長。消化器外科領域での腫瘍融解ウイルスの創薬研究や低侵襲な分子イメージング開発が専門。日本癌治療学会理事。

著書

  • 「入門 腫瘍内科学(改訂第3版)」南江堂、2020.
  • 「遺伝子治療MOOK 30」メディカルドゥ、2016.
  • 「次世代のがん治療薬・診断のための研究開発」技術情報協会、東京、2016.
  • 「新臨床腫瘍学 改訂第3版」南江堂、東京、2012.
  • 「先端医療シリーズ20・癌 肺癌の最新医療」先端医学社、東京、2003.
  • 「遺伝子治療開発研究ハンドブック」エヌ・ティー・エス、東京、1999.

出演番組

  • がん医療最前線(BS-TBS)(2017年2月3日放送)
  • おはよう日本(NHK)(2014年1月11日放送)
  • サイエンスZERO(NHK)(2008年10月19日放送)
  • たけしの本当は怖い家庭の医学(テレビ朝日)(2007年1月9日放送)
  • ふるさと発「医療ベンチャーを育成せよ」(NHK)(2004年10月15日放送)
  • FNSサイエンススペシャルタモリの未来予測TV(フジテレビ)(2003年2月25日放送)
  • クローズアップ現代(NHK)(2002年12月12日放送)
  • ワールドビジネスサテライト 21世紀最新医療(テレビ東京)(2001年1月31日放送)
  • ザ・スクープ(テレビ朝日)(2000年2月26日放送)
  • がん戦争 Part 16(テレビ朝日)(1998年11月28日放送)
  • サイエンス・アイ(NHK)(1998年10月8日放送)
ご来場の皆様へのメッセージ

ウイルスと聞くとインフルエンザや最近の新型コロナウイルスなど、病気を引き起こす厄介者というイメージがあります。ウイルスは自分だけでは複製することができず、ヒトの細胞に感染して増殖し、その細胞を破壊することで拡散していきます。この「細胞を殺す」という機能に注目して、20世紀初頭から狂犬病やおたふく風邪のウイルスなどをがん治療に使う研究が行われ始め、1970年代のアフリカでははしかに感染した悪性リンパ腫の子供の腫瘍が完全に消失したとの報告もあります。ただ、こういった自然界のウイルスは、がん細胞だけでなく正常な細胞でも増えて破壊してしまう危険性がありました。そこで、最近の遺伝子工学の技術を応用してウイルスを遺伝子改変することで、がん細胞だけで増殖してがん細胞を殺すけれども、正常細胞では増殖が抑えられて安全性が確保される「腫瘍融解ウイルス」が開発されるようになりました。
私たちは、子供の風邪症状を引き起こすアデノウイルスをもとに、がん細胞で活性が上がっているテロメラーゼという酵素に反応して、がん細胞のみで増殖してがん細胞を破壊するがん治療用ウイルス製剤テロメライシン(OBP-301)を開発しました。2006年からアメリカで実際にがん患者さんの腫瘍に直接注射して、風邪に似た症状の副作用以外はみられず、安全に治療できることを確認してきました。そして日本でも、2013年から食道がんの患者さんに対して、内視鏡でテロメライシンを腫瘍に投与して、同時に放射線治療を行う臨床試験を進めてきました。
食道がんは高齢の患者さんが多く、手術は大きな負担となることが予測されますので、手術や抗がん剤治療ができない場合も多くみられます。今までは、こういった患者さんにはいい治療法がない状況でしたが、テロメライシンは基礎研究で放射線治療の効果を強くする作用もあることもわかっていましたので、最初の試験では90%以上の患者さんで腫瘍が消えたり半分以上小さくなったるする効果が認められました。現在、日本全国の15の施設でさらに多くの患者さんに治療を行って効果を確認する試験が進んでおります。テロメライシンと放射線治療が広く使えるようになることで、今後のがん治療に新たな道を拓くものと期待されています。
さらに私たちは、がん抑制遺伝子を組み込んだ次世代型テロメライシンも開発しており、膵臓がんなどの難治がんへの応用を考えています。より多くの患者さんにこれらの画期的な治療法が届けられるよう、挑戦を続けていきたいと思います。

大阪大学大学院医学系研究科放射線治療学講座
小線源治療及びピンポイント型放射線治療
小川和彦氏

小川和彦

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主な経歴

1991年3月
千葉大学医学部 卒業
1991年5月
千葉大学医学部放射線医学教室 医員
1992年10月
琉球大学医学部放射線医学教室 医員
1993年5月
琉球大学医学部附属病院放射線科 助手
2003年4月
九州大学生体防御医学研究所分子腫瘍学分野
国内研究員(2004年4月まで)
2005年1月
琉球大学医学部附属病院放射線科 講師
2005年10月
ハーバード大学マサチューセッツ総合病院放射線腫瘍科 国外研究員(2006年4月まで)
2007年10月
琉球大学医学部附属病院放射線部 准教授
2011年12月
大阪大学大学院医学系研究科放射線治療学講座 教授
現在に至る
ご来場の皆様へのメッセージ
がんに対する治療は、個々の患者の方に合わせて最適と考えられる治療を行うのが重要です。放射線治療はがん治療における選択肢の一つであり、その適応、効果、副反応、等についてご理解を深めていただければ幸いです。
世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA公開セカンドオピニオンで皆様からのご質問に向き合って参ります。ご来場をお待ちしています。

帝京大学医学部外科学講座 教授
佐野圭二氏

佐野圭二

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1990年(平成2年)
東京大学医学部卒業
2004年(平成16年)
東京大学医学部 肝胆膵・移植外科 講師
2009年(平成21年)
日本赤十字社医療センター 外科部長
  • 現在 帝京大学医学部 外科学講座 教授(2010年4月~)

専門

  • 肝胆膵の悪性疾患に対する集学的治療(特に高度進行症例)
ご来場の皆様へのメッセージ
がんを撲滅できればそれは素晴らしいことだと思います。がんにかかったとき、闘うか闘わないか、闘うとしたらどのように闘うかを決めるのは皆さんです。闘いたい人の「がんとの闘い」に少しでもお役にたつこと、闘わないと決めた人の「がんと闘わないことに対する不安」を少しでも減らすこと、ができればと思いつつ日々診療しています。

『情熱大陸』、『スッキリ』でも紹介された大腸内視鏡手術の名医
NTT東日本関東病院 内視鏡部 部長/消化管内科 部長
大圃(おおはた)研氏

大圃研

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専門医・認定医

  • 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
    日本内科学会認定医
    日本消化管学会胃腸科専門医
    日本消化器内視鏡学会関東支部評議委員

主な経歴

1974年
茨城県生まれ
1998年
日本大学医学部卒業
JR東京総合病院 内科研修医
2000年
JR東京総合病院 消化器内科 入局
2007年
NTT東日本関東病院 消化器内科医 入局
2011年
NTT東日本関東病院 消化器内科医 医長
2013年
NTT東日本関東病院 内視鏡部 部長
2014年
大連医科大学付属 大連市中心病院 消化内鏡二科 特聘教授(中国)
Qilu Hospital of Shandong University 客員教授(中国)
2016年
東京女子医科大学附属成人医学センター 消化器科 非常勤講師
蘇州相城区人民病院 消化器内科 客員教授(中国)
北京大学付属人民病院 消化器内科 客員教授(中国)
2017年
東京医科大学 消化器内視鏡学分野 兼任助教
2018年
南昌大学第一附属医院 消化器内科 客員教授
2019年
NTT東日本関東病院 消化管内科 部長
  • 趣味は『内視鏡』と豪語する、内視鏡医 大圃研。
    現在、日本におけるがん罹患数1位、2位を占める胃がんと大腸がん。
    開腹手術に代わる、おなかを切らない治療“内視鏡治療:ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)”の第一人者。
    外科手術に比べ患者さんへの負担が少なく、画期的な治療法と言われている。通常専門が分かれる「胃・食道・大腸」3つの部位の治療を一人で難なくこなす。
    『突き詰めるほど内視鏡には終わりが見えない。』、『我流も極めればいつか本流に。』と縦社会の医療業界の中で、従来の医局制度に入らず腕一本の独学・我流で自らの道を切り拓いた異端児。
    強面に似合わない面倒見の良さ、一切派閥に属さない自由さ、圧倒的な技術力に魅せられて、国内外から弟子入り希望が絶えない。技術を広める事が患者さんの為になる、と国内は元よりアジアを中心にヨーロッパやロシアなど世界中で指導を行い普及に努めている。
    その愚直に突き進む生き様と統率力から、人材育成やリーダーシップ、自己研鑽関連の一般講演なども多数手がける。
    メディア活動として2016年「情熱大陸」「サンデープラス」2018年「スッキリ」2020年「名医の極み」他多数、密着取材にも協力し力を注いでいる。

著書

2010年10月発行
分光堂「技師とナースのための消化管内視鏡ハンドブック」大圃研(著者/編集)
2016年10/27発行
羊土社「より上手く!より早く!大圃流ESDセミナー」大圃研、港洋平
2017年10/13発行
金芳堂「大圃組はやっている!!消化器内視鏡の機器・器具・デバイスはこう使え!」大圃研(編集)
2018年5/2発行
羊土社「大圃流 消化器内視鏡の介助・ケア」大圃研、港洋平、青木亜由美、佐藤貴幸、志賀拓也
2018年11月発行
金芳堂「ザ・テキスト大腸ESD」大圃研、千葉秀幸

社会活動

  • 士別市地域医療アドバイザー
  • 日本先端医療技術交流協会 理事
ご来場の皆様へのメッセージ
大腸がんは、様々ながんの中でも比較的たちがよい、“見つけやすく、治しやすいがん”です。どういった方がかかり易いかなど家族性や生活習慣とのかかわり、予防方法がかなり解明されていて、患者様と医療者の双方にとって戦いやすい敵です。
大腸がんは大腸内視鏡検査さえしておけば初期の段階でみつける事ができ、初期に見つけさえすれば再発の可能性はほぼ無く治すことができます。そして、初期のがんはお腹を切る必要はなく、大腸内視鏡治療で治すことができます。大腸内視鏡で治療をすれば、その前後で何の変わりもない生活を送る事ができます。
つまり、きちんとした内視鏡検査・治療さえしていれば、大腸がんは皆さんの生活になんら影響を与える事がない、恐るるに足らないがん、だという事です。
そうはいってもやはり悪性腫瘍、“がん”です。比較的緩徐に進行するとはいえ、当然放置すれば命を奪われてしまいます。進行した状態であれば外科手術や抗がん剤治療などによる通院加療が必要になりますし、手術をしても人工肛門が必要になる場合もあります。治療ができたとしても、その後再発してしまう可能性は進行の程度に応じて高くなってきます。やはり早期発見・早期治療が一番大切です。
治せるがん、大腸がんで命を落とさない為にも内視鏡検査を是非受けてください。公開セカンドオピニオンでは、大腸の内視鏡検査、治療などについてのご相談、ご質問にお答えしたいと思います。よろしくお願いいたします。

東京慈恵会医科大学疼痛制御研究講座
特任教授
上園保仁氏

上園 保

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略歴

1985年 3月
産業医科大学 卒業、医師免許 取得
1989年 3月
産業医科大学大学院 修了、医学博士 取得
1991年 1月
米国カリフォルニア工科大学生物学部門 ポストドクトラルフェロー
2004年 11月
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科内臓薬理学講座 助教授
2009年 1月
国立がんセンター研究所がん患者病態生理研究部 部長
2015年 5月
国立がん研究センター先端医療開発センター支持療法開発分野 分野長 兼任
2015年 11月
国立がん研究センター中央病院支持療法開発センター 主任研究員 兼任
2015年 11月
国立がん研究センター社会と健康研究センター健康支援研究部 主任研究員 兼任
2017年 10月
長崎大学大学院医歯薬総合研究科医療科学専攻包括的腫瘍学分野 (連携講座) 教授 併任
ご来場の皆様へのメッセージ
がん患者さんは、がんになりそしてがんと闘う中でさまざまな痛み(体の痛み、心理的痛み、社会的痛み、スピリチュアルな痛み)に直面し、悩んでおられます。ひとつの症状がよくなっても、それだけではおそらく満足することにはならず、患者さんの全体を見つめ、患者さんの納得できる生き方に寄り添う必要があると考えます。
漢方薬は2種類以上、多いものでは18種類もの生薬でできた合剤です。患者さんの症状を改善するための「標的」も複数であることの多い薬です。そして漢方薬は患者さんの全体の症状を捉え、複数の標的に対応する薬として、また体に全体的に優しくはたらく薬のひとつであるといえます。この漢方薬が近年の研究技術の進歩に伴って、今までなぜ効くのかわからなかった作用のメカニズムが明らかになってきました。数千年前に作られ、長い歴史の中で今日までいわば安全性試験が行われてきた漢方薬は、先人からの脈々と続く経験知と科学的根拠に基づく作用メカニズムの解明とが合流し、いくつかの漢方薬は今や西洋薬の効果を補完できるところまで来ていると感じています。
公開セカンドオピニオンでは、がん治療で起こる副作用や、がんそのものが起こすつらい症状についての疑問、悩みなどをうかがい、漢方薬を通じて皆さまの疑問、悩みの解決にお役に立てれば幸いです。また皆さまからの疑問を持ち帰り、今後の漢方薬研究に生かすべくしっかりと前進してまいります。
亡き北島政樹永世大会長は漢方に力を注いでおられました。北島先生の御遺志を受け継ぐ思いで日米がん撲滅サミット2020に臨みます。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

神奈川県立がんセンター重粒子線センター長
量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所病院元病院長
鎌田正氏

鎌田 正

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  • 現職:神奈川県立がんセンター重粒子線センター長
  • 千葉大学大学院医学研究院客員教授併任
    群馬大学医学部医学科客員教授併任
    新潟大学大学院医歯学総合研究科客員教授併任
    北海道大学医学部医学科客員教授併任

学歴

昭和48(1973)年4月
北海道大学医学部医学進学過程入学
昭和54(1979)年3月
北海道大学医学部医学科卒業

職歴

昭和54(1979)年7月
北海道大学医学部附属病院放射線科医員
昭和56(1981)年9月
文部教官北海道大学助手(医学部附属病院放射線科)
昭和63(1988)年4月
北海道厚生連旭川厚生病院放射線科主任医長
平成03(1991)年6月
文部教官北海道大学講師(医学部附属病院放射線科)
平成06(1994)年10月
科学技術庁放射線医学総合研究所重粒子治療センター治療診断部治療課医長
平成13(2001)年7月
放射線医学総合研究所重粒子医科学センター診断課臨床検査室長
平成15(2003)年4年
放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院治療課長
平成20(2008)年6月
放射線医学総合研究所重粒子医科学センター長
平成28(2016)年4月
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
放射線医学総合研究所 臨床研究クラスタ長
放射線医学総合研究所病院 病院長併任
神奈川県立がんセンター重粒子線センター長
(現在にいたる)

テレビ出演

  • 鳥越俊太郎 医療の現場(BS朝日)
    現場に訊く!ここまで来た!がん治療

ラジオ出演

  • NHKジャーナル(ラジオ第1・平日PM10:00~11:10 全国放送)
    スタジオ生出演でのインタビュー
ご来場の皆様へのメッセージ
最近、新しい放射線治療法としてご質問をいただく機会が多い粒子線治療ですが、保険診療あるいは先進医療として粒子線治療の適応となるがんの病態や治療の内容についてできるだけ正確な情報をお伝えできるようにいたします。
『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』で皆様のご質問をお待ち申し上げております。

国立国際医療研究センター病院 大腸肛門外科 診療科長
清松知充氏

清松知充

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専門分野

  • 大腸癌・直腸癌の外科治療
    • 直腸癌手術における機能温存手術(肛門、排尿機能、性機能)
    • ロボット(ダヴィンチ)手術および腹腔鏡手術による低侵襲治療
  • 腹膜偽粘液腫の外科治療
    • 特殊な粘液産生腫瘍の腹膜播種である腹膜偽粘液腫の外科治療【完全減量手術(腹膜切除)と術中腹腔内温熱化学療法】
    • 虫垂粘液瘤(未破裂で腹膜偽粘液腫の前段階の虫垂)の手術

主な経歴

1998年
東京大学医学部卒業
1999年
癌研究会附属病院 外科
2000年
NTT東日本関東病院 外科
2003年
東京大学大学院 医学系研究科 外科学
2007年
日立製作所 日立総合病院 外科
2011年
東京大学医学部 腫瘍外科 助教
2016年
東京大学医学部 腫瘍外科 特任講師、腫瘍外科・血管外科 医局長
2017年
国立国際医療研究センター病院 外科
(2018年より大腸肛門外科 診療科長)

主な資格

  • 日本外科学会:専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会:専門医・指導医
  • 消化器がん外科治療認定医
  • 日本がん治療認定医機構:がん治療認定医
  • 大腸肛門病学会:専門医
  • 日本内視鏡外科学会:技術認定医
  • 日本ロボット外科学会:専門医・Robo Doc Pilot認定(消化器外科)
ご来場の皆様へのメッセージ
大腸癌の腹膜播種というとステージIVで不治の病のように扱われてしまうことも多いですが、手術と抗がん剤などの集学的治療の組み合わせによって治癒を目指せる方もおられることをぜひ知っていただきたいと思います。この領域に関しては、日本では非常に治療が立ち遅れているのが現状で、たとえば最も良い例が、虫垂の低異型度粘液癌の破裂に伴う腹膜播種によって引き起こされる腹膜偽粘液腫という病態です。悪性度が低いために肺転移や肝転移などの遠隔転移はきわめてまれで、次第に腹腔内のみで粘液が大量に拡がっていき、抗がん剤もあまり効かないとても厄介な病態です。本邦ではしばしば抗がん剤治療を選択されてしまいますが、欧米での標準治療は完全減量手術(腹膜切除を伴う)という外科的切除に術中腹腔内温熱化学療法という 化学療法を組み合わせた療法です。典型的な症例では10年生存率が80%近い極めて良好な成績であるにも関わらず、本邦では治療自体が可能な施設もほぼなく、しかも保険診療が認められていないのが現状です。大きな侵襲を伴う手術ではありますが、我々は少しでも低侵襲に安全に行われるように日々取り組んでおり多くの患者さんが元気に社会復帰しておられます。早急に保険適応が認められるようにこのサミットを通じても認知が進むことを願っております。また一般的な大腸癌の腹膜播種についても、遠隔転移がなく播種の拡がりがある程度までに限られている方であれば、抗がん剤と完全減量手術を組み合わせることによって10%程度の患者さんに完全な治癒の可能性を見いだせることがわかってきております。大腸癌はほかの消化器癌に比較してこうした腹膜播種に対する外科治療の有効性が高いと癌ですので、できる限り治癒を目指した治療を行っていきたいと思っております。大腸癌腹膜播種の外科治療についてのご質問を中心にお答えしたいと思います。よろしくお願いいたします。

ほか、現在検討中

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