東京都知事
小池　百合子

「がん撲滅」をテーマに立ち上げられたこのサミットが、６回目の開催を迎えられますことを、心よりお慶び申し上げます。

また、今回は、日米両国が連携して取り組むはじめてのサミットとなりました。皆様のがん撲滅の熱意が世界に向かって大きく広がろうとしており、大変嬉しく思います。

日々がん治療、がん研究に取り組まれている皆様におかれましては、心から敬意を表しますとともに、実行委員会や事務局の皆様をはじめ、開催に御尽力された関係者の皆様に感謝申し上げます。

がんは、昭和52年（1977年）以降、都民の死因の第１位であり、現在、都民のおよそ３人に１人が、がんで亡くなっています。高齢化が加速している東京都では、がん患者の今後一層の増加が予測されております。

このため、都は平成30年３月に『東京都がん対策推進計画（第二次改定）』を策定し、「がん患者を含めた都民が、がんを知り、がんの克服を目指す」という全体目標の下、「科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実」、「患者本位のがん医療の実現」、「尊厳を持って安心して暮らせる地域共生社会の構築」の三つを目標に掲げました。

都民が、がんに関する理解を深め、がんの患者や経験者の方が、必要な支援を受けながら、罹患する前と変わらず自分らしい生活をおくることができるよう、都は上記の計画に基づき、様々な施策を推進しております。例えば、がん治療と仕事の両立の推進に向けては、がんと闘う従業員を新たに採用したり継続雇用している事業主を支援しております。また、がん患者やその家族の方のQOL（生活の質）の維持・向上に向けては、切れ目なく緩和ケアを受けられる体制を構築していく事業などに取り組んでおります。

こうした施策の展開等を通じて、都は今後も関係者の皆様とともにがん対策を総合的に推進してまいります。

最後に、このサミットが、お集まりの皆様にとって実りのある場となりますとともに、がんと闘う患者と御家族の皆様の希望につながりますこと、また、皆様の今後の益々の御発展、御健勝を祈念いたしまして、私からのメッセージとさせていただきます。