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大会長ご挨拶

原丈人

第5回がん撲滅サミット大会長
内閣府参与
米合衆国公益法人
アライアンス・フォーラム財団 会長
デフタ パートナーズ グループ会長
大阪大学医学部大学院医学研究科 招聘教授
原 丈人

おかげで様で本年も第5回がん撲滅サミットを開催することができ、ありがとうございます。今年は大切な報告事項があります。

10月29日サンフランシスコで「がん撲滅日米共同宣言」が日本政府と国連経済社会理事会の特別協議資格を有する米合衆国アライアンス・フォーラム財団が主催する第7回ワールド・アライアンス・フォーラムで、がん撲滅サミット提唱者 中見利男氏やシカゴ大学教授マーク・ラテイン氏らと共に執り行われ、世界に向けての第一歩を踏み出すことが出来ました。

「すべての国民が人生の途中で、がんや大病を患っても、大事故にあっても健康を回復し、寿命を全うする直前まで元気で健康に暮らすことが出来る世界最初の国をつくる」というのが私の理念です。

この為には「技術イノベーション」「制度イノベーション」「エコシステム」といった3要素を動かさねばなりません。

技術イノベーションとは、「大病や事故にあった人々を健康な状態に戻す技術開発」そのものです。失明した人が見えるようになる。車椅子の生活を余儀なくされている人が歩けるようになる。あらゆる種類のがんや病気を完治して健康な生活を取り戻す。これらは革新的な技術開発によって可能になります。人間の寿命を機械的に伸ばすことはこの範疇には入りません。

制度イノベーションとは、今まで不可能だった大胆な研究開発を支援できる新制度を創ることや、完成した技術をいち早く使えるようにするための制度設計を指します。例えば、新薬認可は世界の多くの国々が米国食品医薬品局の定める制度にならっており10年以上の年月がかかります。つまり数年の余命宣告を受けた患者は、薬を手にすることなく最期を迎えてしまうのです。

そこで安全性さえ確立されれば、有効性の証明が完璧でなくとも効果が期待できると判断できた段階で、待ち望んでいる患者が使えるような制度設計が必要です。日本は2014年に世界に先駆けて再生医療分野で条件付・期限付早期承認制度を実現しましたが、これに続く制度改革をがん治療の領域でも実現させねばなりません。

エコシステムとは、有用な制度と新技術が次々と生まれる重要なサイクルを指します。例えば、がんの遺伝子治療、ウイルス治療など日本が最先端であるにもかかわらずカルタヘナ法に医薬品を含んでしまったがために開発と承認プロセスが遅れています。これではエコシステムが機能しません。技術・制度・エコシステムの循環によって、欧米中国など多くの国々に範を示すことが出来れば、世界に対し大きな貢献ができます。今までこの3つの分野に真剣に取り組んでまいりましたが、本日からは皆さまと力を合わせて、より一層加速させていきたいと決意を持っております。

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