内閣総理大臣メッセージ(2015)

第1回がん撲滅サミットの開催、誠におめでとうございます。はじめに、医学の進歩に向けた皆様の毎日の取り組みに対して、心より敬意の念を表したいと思います。

我が国は、世界最高水準の平均寿命を達成し、人類誰もが願う長寿社会を現実のものとしてまいりました。同時に我が国は世界に先駆けて超高齢化社会を迎えたことになり、課題解決先進国として、健康長寿社会の実現に向け努力していくことが重要です。このため、政府は、世界最先端の医療技術・サービスを実現し、健康寿命を更に伸ばすことに努めてまいります。

医療分野の研究開発の司令塔機能の創設については、昨年「健康・医療戦略推進法」及び「独立行政法人 日本医療研究開発機構法」が成立いたしました。この法律に基づき昨年6月、全閣僚からなる健康・医療戦略推進本部を設置しました。

この本部の下、健康・医療に関する先端的研究開発や新産業創出に関する施策の方針などを定めた「健康・医療戦略」を閣議決定し、さらに、医療分野の研究開発やその環境の整備、成果の普及に関する施策の推進に関する「医療分野研究開発推進計画」を決定いたしました。この中でも、がんについては、「がん研究10カ年戦略」を踏まえ、5年以内に日本発の革新的ながん治療薬の創出を目指すことになっており、政府一体となって取り組んでまいります。

この4月には、医療分野の研究開発における基礎から実用化まで切れ目ない研究支援を一体的に行う、我が国の医療分野の研究開発の中核組織となる「日本医療研究開発機構」を設立しました。このような取り組みにより、日本から、がんの治療を含む医療の世界にイノベーションを起こしていきたいと考えています。

さらに、6月1日には、私から厚生労働大臣に対し、「がん対策加速化プラン」を策定するよう指示しました。これにより、幅広い取組を大きく進め、がんの克服を目指してまいります。

最後に今回の会がご参加の皆様にとって実りある場となることを期待いたしまして私のメッセージといたします。

内閣総理大臣 安倍 晋三

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