アインシュタイン・ジャパンプロジェクトについて

『困難だから出来ないのではない。やろうとしないから困難なのだ』

これは古代ローマ帝国の哲学者にして政治家だったルキウス・アンナエウス・セネカの言葉です。

しかし21世紀の今、彼ならこう言うでしょう。
『不可能だから出来ないのではない。やろうとしないから不可能なままなのだ』と。

今、21世紀を生きる我々は新しい令和という時代を迎え、新型コロナウイルス禍や少子高齢化の中で人口減少や産業構造の流動化、さらには国際社会の混迷など次々に問題点や課題が投げかけられています。

その中で、日本の経団連に匹敵する米国のビジネス・ラウンド・テーブル(会長:JPモルガン・チェース会長ジェイミー・ダイモン氏)でも、これまでの強欲資本主義が否定され、公益に資する企業の重要性が米国でも訴えられ始めたことは特筆に値します。

これは2013年より内閣府参与、アライアンス・フォーラム財団代表理事の原丈人氏が日本や米国で提唱し続けてきた公益資本主義の時代の到来を告げる画期的な出来事ではないでしょうか。

原丈人氏は提唱します。

『日本にイノベーションを起こすためには技術、制度、そしてエコシステムという3つの面でのイノベーションが必要である』と。

これは前例のない新しい技術が開発されても規制の緩和や改革によって、これまでの既成概念や既得権益を打破しなければ、それらが消費者の手元には届かないことを指しています。

また技術者と規制当局、企業と企業、あるいは消費者をつなぐブリッジとなる連携システム(エコシステム)がなければ、せっかくの技術が周知されないまま世の中に埋もれてしまうのです。

日本ではがん撲滅サミットが、がん医療の世界でこうしたエコシステムの役割を果たしております。

昨年創立5周年を迎えた、そのがん撲滅サミットでは記念事業として『がん撲滅サミット・ムーンショットプロジェクト』を発足させ、藤堂具紀教授(東京大学医科学研究所)の開発したウイルス療法G47Δの実用化を支援したり、がん患者の皆様のために『がん患者110番』を開設。

例えば医療機関から不当な対応をされた患者の皆様に対して救済制度を設けたりといくつかの事業展開を図っております。

その中の一つに日米の有志が連携してがん撲滅を目指すためがん撲滅サミット代表顧問の中見利男氏が渡米。

2019年10月29日、30日両日サンフランシスコで開催された医療版ダボス会議と賞賛されている「2019 World Alliance Forum in Sanfrancisco」において『がん撲滅への道~今こそチーム・マンカインド(人類)でがん撲滅を!』を提唱。

その講演の中で持ち運びのできる副作用のない安価ながん予防薬の開発を2025年までにスタートさせ、2030年に人類とAIの総力戦でがんを撲滅しようと米国で呼びかけさせていただきました。

その目標を実現させるためにはがん医療とAIの関係は今後、益々重要になって参ります。

そこでこのたび『日米がん撲滅サミット2020』では、AIやロボット技術などと連携するため、新たに『アインシュタイン・ジャパンプロジェクト』を発足させ、新しい技術を研究する研究者や研究機関、企業、学生諸氏と連携して参ります。

ここでいう『アインシュタイン』とは宇宙の謎の解明に挑み、いち早くそれを成し遂げた偉人アインシュタインに続く人材を発掘し、支援していくことを理念としているのはもちろんです。

さらに、『アイン』とはドイツ語で1をあらわし、『シュタイン』がヘブライ語で石や岩をあらわしているように最初の石を意味しています。つまりキリスト教世界では隅の親石、日本では要石を意味する重要な言葉でもあります。

隅の親石とは捨て石でありながらも建物の礎となる石のことであり、一方の要石にも地を平らかにして安泰をもたらす基礎の石という意味があり、まさに既得権益を打ち破って新しい技術を世に問うチャレンジ精神に富んだ人々のことを指しています。

つまり、『アインシュタイン』とは、偉人アインシュタインだけでなく、基礎の石や一枚岩という意味でもあり、オールジャパンで日本が生み出した技術を支援し、育成し、歴史に刻んでいくことを目的としたプロジェクトだという意味も込められています。

そのためには、

  • 将来的に有望な研究と研究者との連携に取り組む。
  • AIのトップが集結するフォーラム等を開催し、有望な新技術を紹介、広く周知徹底させ、政府、企業と市民のエコシステムを目指す。
  • 政府にも働きかけてオールジャパンで支援をしていくための制度イノベーションを起こす。

こうした構想の下、まずがん予防薬等の開発に不可欠なAI技術を発展させるためAIや光量子コンピュータ、体内診断型のカプセルロボなどの新しい技術を患者の皆様、そして公益に貢献するためにも支援して参りたいと存じます。

私共の趣旨をご理解いただき、何卒ご支援、ご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。

日米がん撲滅サミット2020実行委員会一同

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