熊本県知事
蒲島 郁夫
『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』の開催、誠におめでとうございます。
これまで、世界がん撲滅サミット実行委員の皆様には、平成28年熊本地震及び令和2年7月豪雨からの復旧・復興、更には新型コロナウイルス感染症の医療支援として、温かい御寄附をいただいておりますことに、県民を代表して心から感謝申し上げます。
本県では、熊本地震、令和2年7月豪雨からの創造的復興が着実に進展する中、全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症が広がりを見せ、これまでに経験したことのないほど、県民生活や経済活動など、幅広い分野で甚大な影響を及ぼしました。新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、本県では、感染拡大防止と県民生活や県経済の回復のベストバランスの追求に全力で取り組んできました。このように本県は今、かつてない大逆境の中にありますが、「逆境の中にこそ夢がある」。という私の信念のもと、コロナ禍を克服し、必ずや2つの災害からの創造的復興を成し遂げ、熊本の更なる発展に全力を尽くして参ります。
さて、がんは約2人に1人の方がかかる病気と言われています。私自身も5年前に早期の胃がんが見つかり、内視鏡手術を受けた経験があります。がんは特別な病気ではないことを再認識するとともに、改めて早期発見の重要性を実感しました。
本県では、平成30年に「第3次熊本県がん対策推進計画」を策定し、①がんを知りがんを予防する、②適切な医療を受けられる体制を充実させる、③がんになっても自分らしく生きることのできる社会を実現する、の3つの目標に向かってがん対策の充実に取り組んでおります。特に本県のがん検診受診率は、全国平均より高く、男性の胃がん、肺がん、大腸がん、女性の肺がん、乳がんにおいて、国の目標値である50%を越えています。今後も、国及び県が指定する20の拠点病院と連携し、引き続き、県全体でがん医療水準の向上を図って参ります。
最後になりますが、本日のサミットが、お集まりのがん患者の皆様やその御家族をはじめ、医療関係者などその支援者の皆様にとって、実りあるものとなることを期待いたしまして、私からのメッセージとさせていただきます。