厚生労働大臣厚生労働大臣
後藤 茂之
『世界がん撲滅サミット 2021 in OSAKA』の開催、誠におめでとうございます。がん患者や御家族の皆様をはじめ、医療従事者や医学研究者及び企業の方々等がお集まりになり、本サミットが盛大に開催されることは素晴らしいことです。開催に御尽力された関係者の皆様に、深く敬意を表します。
我が国においては、生涯のうちに国民の約2人に1人ががんに罹患し、昭和56年から死因の第1位であり続け、現在もなお3人に1人ががんで亡くなっているなど、がんは国民の生命と健康にとって重大な問題です。
厚生労働省としては、平成30年3月に閣議決定した「第3期がん対策推進基本計画」に基づき、「がん予防」、「がん医療の充実」及び「がんとの共生」を3本柱として、皆様が安心かつ納得できるがん医療や支援を受け、尊厳を持って自分らしく生きることのできる地域共生社会を実現していきたいと考えております。
「がん予防」については、生活習慣の改善や、ウイルスや細菌の感染等の予防可能ながんのリスクの軽減、また、がん検診の受診率向上、がん検診の利益と不利益も踏まえた科学的根拠に基づくがん検診の推進や精度管理の更なる向上等に取り組んでまいります。
「がん医療の充実」については、がん診療連携拠点病院等を中心に、がん医療の均てん化を進め、がんゲノム医療等を推進してまいります。
「がんとの共生」については、医療・福祉・介護・産業保健・就労支援分野等の関係者が連携し、効果的な医療・福祉サービスの提供や、就労支援等を行う仕組みの構築等に取り組んでまいります。
さらに、今年度より小児・AYA世代のがん患者等の妊よう性温存療法研究促進事業を開始しました。これは、がん治療により将来妊娠しにくくなる可能性がある方を対象に、卵子や精子の保存を支援する事業であり、若いがん患者等が希望をもって病気と闘い、将来子どもを持つことができるよう支援する取り組みです。
最後に、本サミットの成功と本日お集まりの皆様方の今後ますますの御発展、御健勝を祈念いたしまして、御祝いの言葉といたします。