内閣官房長官
菅 義偉
第4回がん撲滅サミットの開催を心よりお慶び申し上げます。はじめに、医学の進歩に向け、日々、がん治療、がん研究に取り組んでおられる関係者の皆様の取組に対して心より敬意を表します。
我が国から、画期的ながん免疫療法の研究成果が生み出され、本庶佑京都大学特別教授がノーベル生理学・医学賞を受賞されることを大変喜ばしく思います。
がんは、昭和56年より死因の第1位であり、平成29年には、年間約37万人が亡くなり、生涯のうちに、約2人に1人が罹患し、3人に1人ががんで亡くなっているなど、依然として国民の生命と健康にとって重大な問題であります。
こうした状況を踏まえ、政府をあげてがん撲滅に向けた取組を積極的に推進すべく、本年3月に閣議決定した、第3期がん対策推進基本計画を基に、がん検診受診率の向上、がんゲノム治療の推進、治療と仕事の両立支援などに取り組んでいます。
また、研究開発分野については、「健康・医療戦略」に即して策定している「医療分野研究開発推進計画」において、基礎研究から実用化へ一貫して繋ぐ重点プロジェクトの一つの柱として、がん研究を位置付けており、30年度は160億円の研究費を運用しています。
具体的には、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)を中心に、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の三省と連携して研究開発を推進しており、血液検査による腎臓がん早期診断法の開発、微小ながんの検出技術の開発など、研究の成果が着実に見られているところです。
今後も、がん研究をはじめとして、健康長寿社会実現に向けた多くの施策を通じ、国民が健康で安心して暮らせる社会、医療体制を構築すべく努めていきたいと考えています。