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2018.12.04

内閣総理大臣メッセージ(2018)

内閣総理大臣
安倍 晋三

第4回がん撲滅サミットの開催、おめでとうございます。
はじめに、医学の進歩に向けた皆様の毎日の取組に対して、心より敬意の念を表したいと思います。特に、本年のノーベル生理学・医学賞を本庶 佑京都大学特別教授が受賞されました。我が国として非常に誇りであると同時に、多くのがん患者の皆さんに希望や光を与え、人類全体への貢献につながる素晴らしい成果をあげられたと思います。
我が国は、世界最高水準の平均寿命を達成し、人類誰もが願う長寿社会を現実のものとしてまいりました。他方で、人生100年時代を見据え、健康な状態で長生きしていただく、健康長寿社会を実現することが大きな課題となっています。
このため、政府としても、全閣僚からなる健康・医療戦略推進本部の下、医療分野の先端的研究開発や新産業創出等を推進し、健康寿命の更なる延伸の実現に向けた取組を進めています。
中でも長らく死因の首位を占めてきたがんについては、その克服を目指して注力していく必要があります。このため、本年3月に新たながん対策推進基本計画を決定し、①科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実、②患者本位のがん医療の実現、③尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築、を目標に掲げ取組を進めていくこととしました。
がん予防・検診については、引き続き、受動喫煙対策の徹底や受診率の向上に向けた取組をさらに進めていくとともに、より効果を高めるため、保険者・事業者・個人の予防措置へのインセンティブの強化を検討してまいります。
また、がん医療については、近年、個々人に最適化された患者本位のがん医療として「がんゲノム医療」が注目されています。政府としても、がんゲノム医療の中核となる拠点病院の整備に加え、関係者が参画する「がんゲノム医療推進コンソーシアム」の構築などを通じて、思春期や若年世代を含むそれぞれのがん患者の特性に応じた医療の提供に取り組んでいます。
さらに、治療と仕事の両立支援を進めるため、企業の意識改革や両立を可能とする社内制度の整備促進や企業、医療機関とそれらと連携するコーディネーターによるトライアングル型のサポート体制の構築など、がんになっても自分らしく生きることのできる地域共生社会の実現を目指してまいります。
これらの施策により、いつ、どこにいても安心して納得できる医療や支援を受けられるよう引き続き取り組み、ひいてはがんを克服し、活力ある健康長寿社会を形成していきたいと考えています。
最後に第4回を迎えた本会合がご参加の皆様にとって実り多きものとなることを期待いたしまして私のメッセージといたします。

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