PROJECT
2021.07.16

すい臓がんブレークスルー・プロジェクトについて

がん撲滅サミット
がん撲滅サミット

国立がん研究センター発表では、がん患者の10年生存率は、すい臓がんが6.5%。そこで『すい臓がんブレークスルー・プロジェクト』が始動。研究者や医療者を支援し、全国で取り組みます。

2021年4月、国立がん研究センターが発表したがん患者の10年生存率は前立腺がん98.7%、乳がん87.5%、大腸がん67.2%に対して、すい臓がんは6.5%でした。

圧倒的にすい臓がんの10年生存率が低いことは一目瞭然です。これはすい臓がんが発見に至るまでに難しい場所にあるほか、難治性がんであることから治療薬や治療法開発が進まなかったという事情が大きく影響しています。

しかし2012年に厚生労働省が作成した『臨床研究・治験活性化5か年計画2012』には、こうあります。

『日本発の革新的な医薬品、医療機器等創出に向けた取組(イノベーション)』に項に『開発が進みにくい分野への取組の強化等』という文言が記載されているのです。

そのうえで『臨床研究・治験活性化5か年計画2012の目標』として、

『1.日本の国民に医療上必要な医薬品・医療機器を迅速に届ける

2.日本発のシーズによるイノベーションの進展・実用化につなげる

3.市販後の医薬品・医療機器の組み合わせにより、最適な治療法等を見出すためにエビデンスの構築を進める』

と3点を強調しております。

さらに、すい臓がんなどの『希少・難治性疾患のレジストリー構築にあたっては例えば厚生労働科学研究費補助金により組織されている研究班のデータを活用する等、具体的な方法を検討する』

そして『小児疾患、希少・難治性疾患等、治験が進みにくい分野の臨床研究を促進するために、研究グループの育成や、開発企業や研究者のインセンティブについて検討を行う。(例えば研究者においては継続的に予算を確保される等の仕組み等について検討する)

『患者数が少ない等の理由により製薬企業が開発に着手しない医薬品・医療機器を対象とした臨床研究・治験に対して、財政上の支援の充実を図る。特に厚生労働科学研究費等において医師主導治験への更なる支援を行う。』

と記載しています。

このプランこそ、すべての医療のマスタープランと位置づけられるものです。

そこで『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』開催を記念して私共は今年から、いよいよ『すい臓がんブレークスルー・プロジェクト』を始動いたします。

これはすい臓がん治療の確立及び強化推進を支援していくもので、厚生労働省のマスタープランの進捗を点検し、更なる推進を求めるものです。

また、これまで個々でクラウドファンディングを行うなど治験推進にご苦労されているすい臓がん治療の研究者、開発者、そして医療者をサポートしていこうというプロジェクトです。

もうすい臓がん患者の皆様をはじめ医療者、研究者の皆様、一人ひとりが個として苦労を背負い込みながら単独で戦う時代は終わりました。まさにすい臓がん患者の皆様のためにもオールジャパンで国を挙げて立ち向かわなければなりません。

幸い世界の医療者や研究者も少しずつ私共のがん撲滅に賭ける理念に共感をいただいており、今後はチームマンカインドですい臓がん患者の皆様の生存率を上昇させていかねばなりません。

そのためにはすい臓がん患者の皆様のご要望やお声を聴く力を政府も国立医療機関もがん専門病院も持たねばなりません。

我々はその窓口であり、出口ともなる所存です。すい臓がん患者の皆様の心に希望の光が差し込んでくるよう、全力で固く閉ざされた扉を打ち開いて参ります。

『狭き門より入れ』

やがて我々はすい臓がん患者の皆様と共に堂々とすい臓がん克服、撲滅の道を歩むことができるよう志ある医療者の皆様と共にネットワークを構築し、同時に厚生労働省、AMEDなどに継続的なサポートを求めて参ります。

さらに今後、すい臓がん患者の皆様からのご要望やご提案を大会HPを通じていただきたいと思います。(詳細は後日改めて発表いたします)

我々は「自分はすい臓がんではないから」と無関心でいることはできません。同胞を救うため、まさに狭き門より入る勇気。

これを失うことのないよう日々心新たにチャレンジして参ります。

『すい臓がんブレークスルー・プロジェクト』に対しまして、皆様のご理解、ご支援をいただけますと幸甚に存じます。

『世界がん撲滅サミット2021 in OSAKA』大会事務局

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