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2020.12.25

大阪国際がんセンター 総長 メッセージ(2020)

大阪国際がんセンター 総長
松浦 成昭

本サミットを核にしてがん撲滅に力を合わせましょう!

がん撲滅サミットは医療者だけではなく、政・財・官、そして患者・家族を始めとした市民の皆様もいっしょになって、オールジャパンでがんの撲滅を目的として行われるものです。患者さんの視点に立って、様々な分野の最前線で臨床・研究に取り組んでいる医療者が集まり、市民の方々と本音で意見交換をすることが最大の特徴です。日本人の2人に1人ががんにかかり、がんは国民病と言うべき時代になっていますが、誰もがこのサミットに結集し、実のある議論をすることにより、がんの撲滅に向けた大きな一歩にしましょう。

がんの医療は大きく変貌しました。かつては「不治の病」と言われ、治療成績は不良であったので、患者さんには告知もしませんでした。その時代から見ると、がんの診断方法も治療法も顕著な進歩が見られ、治療成績は全体として大きく改善しました。しかし、依然として高度進行がん・再発がんに対する治療手段は限られており、延命期間は延びましたが、最終的には不幸な転帰をとげることが多く、さらなる努力が必要です。

がん医療の進歩とともに、患者さんが普通の生活を送るための支援を行うことも医療者に求められるようになりました。がんが治ることはもちろん大切ですが、治ればそれでよいというものではなく、QOLを十分に保って、毎日の生活を送ることも同じくらい大切だという患者さんもおられるようになりました。患者さんの求めるニーズも多様化しており、医療提供側もきめ細かく対応する必要があり、変革を迫られるようになってきました。

がん撲滅サミットは第一線のがんの研究者・臨床家が集いますが、主役は一般市民の皆様です。このサミットでがん医療の最前線を知るとともに、十分に議論し意見交換することが大切です。受け身ではなく、攻めの姿勢・積極的な意気込みで皆の叡智を結集することが、名前の通りがんの撲滅をめざすことにつながります。一人でも多くの人の積極的な参加をお待ちしています。

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