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2019.11.27

内閣総理大臣メッセージ(2019)

内閣総理大臣
安倍 晋三

第5回がん撲滅サミットの開催、おめでとうございます。

はじめに、医学の進歩に向けた皆様の日々の取り組みに対して、心より敬意の念を表したいと思います。先人の方々も含めたご尽力の成果もあり、我が国は、世界最高水準の平均寿命を達成し、人類誰もが願う長寿社会を現実のものとしました。これからは、人生100年時代を見据え、健康な状態で長生きしていただく「健康長寿社会」を実現することが大きな課題となっています。

政府では、全閣僚からなる健康・医療戦略推進本部の下、医療分野の先端的研究開発や新産業創出等を推進し、健康寿命の更なる延伸の実現に向けた取り組みを進めています。

中でも、長らく死因の首位を占めてきたがんについては、昨年3月に第3期のがん対策推進基本計画を決定し、①科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実、②患者本位のがん医療の実現、③尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築、を目標に掲げ取り組みを進めています。

昨年度は、がん医療の中核を担う拠点病院について、類型や指定要件の見直しを行い、がん医療の更なる充実、また病院完結型ではなく地域完結・循環型の医療への転換を図ることとしました。

また、近年、個々人に最適化した患者本位のがん医療として「がんゲノム医療」が注目されています。本年6月に策定した成長戦略では、患者さんの同意や十分な情報管理を前提としつつ、質の高い全ゲノム情報と臨床情報を集積して、革新的な創薬や早期診断に活用できる全ゲノム医療の実現を盛り込みました。すでに、健康・医療戦略推進本部のもとで議論が始まっており、来年度以降も第2期健康・医療戦略の下で取り組みを進めてまいります。

さらに、治療と仕事の両立支援を進めるため、企業の意識改革や両立を可能とする社内制度の整備促進や企業、医療機関とそれらと連携するコーディネーターによるトライアングル型のサポート体制の構築など、がんになっても自分らしく生きることのできる地域共生社会の実現を目指しています。

これらの施策により、いつ、どこにいても安心して納得できる医療や支援を受けられるよう引き続き取り組み、ひいてはがんを克服し、活力ある健康長寿社会を形成していきたいと考えています。

最後に第5回を迎えた本会合がご参加の皆様にとって実り多きものとなることを期待いたしまして私のメッセージといたします。

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