世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA(2023 )
2023.11.17

世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA大会報告書

約800名の来場者、関係者を迎え、興奮と感動に包まれながら大盛況のうちに終了!

2023年11月3日(金・祝)午後1時より大阪国際会議場5階メインホールにて『世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA』(https://cancer-zero.com)が開催され、今大会で通算約8,200名の皆様がご来場されました。以下は、当日のご報告です。

オープニングでは、会場のスクリーンに2019年米国サンフランシスコで開催された『2019World Alliance Forum in San Francisco』から始まる感動的な映像が紹介され、その後、大会長 原丈人氏による開会宣言で開幕致しました。

大会長 原 丈人 氏

開会式では岸田文雄内閣総理大臣の代理として大阪国際がんセンター総長の松浦成昭氏が代読。

次に内閣総理大臣補佐官 森昌文氏のビデオメッセージ、そして厚生労働大臣 武見敬三氏の代理として厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課長  西嶋康浩氏が代読。

内閣総理大臣補佐官 森 昌文 氏
厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課長 西嶋 康弘 氏

そして大阪府知事 吉村洋文氏は「世界がん撲滅サミット2023 in OSAKAが今年もここ大阪の地で開催いただけることは本当に光栄です」とご祝辞を述べられました。

大阪府知事 吉村 洋文 氏

さらに米国からシカゴ大学プレシジョン医療研究センター長・教授 マークJ.ラテイン氏の祝辞。

シカゴ大学プレシジョン医療研究センター長・教授 マークJ.ラテイン氏

これに続いて、『世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA』特別顧問・元厚生労働事務次官 二川一男先生から激励並びにご祝辞をいただきました。

元厚生労働事務次官 二川一男 氏

そして『世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA』特別顧問・前内閣官房副長官 杉田和博氏からのご祝辞を大阪府・大阪市特別顧問 和泉洋人氏が代読。

前内閣官房副長官 杉田 和博 氏
前内閣総理大臣補佐官、大阪府・大阪市特別顧問 和泉洋人氏

さらに、ご来賓として園潔氏(公益社団法人関西経済連合会副会長)、福島伸一氏(公立大学法人大阪理事長)、坂口志文氏(大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授)、松浦成昭氏(大阪国際がんセンター総長)、『世界がん撲滅サミット2023 in OSAKA』顧問で株式会社エフ・アール・シー・ジャパン代表取締役社長 清水美溥氏のご紹介。

その後、戦略講演として、原丈人氏の大会長講演「公益資本主義が医療を変革する2023!」、続いて日本代表講演Ⅰとして東京工業大学物質理工学院応用科学系教授、理化学研究所 開拓研究本部 田中生体機能合成化学研究室 主任研究員 田中克典氏より「世界初! 生体内抗がん剤合成治療とは何か?」についてご講演。

東京工業大学 物質理工学院 応用科学系 教授
理化学研究所 開拓研究本部 田中生体機能合成化学研究室 主任研究員 田中克典 氏

そして米国代表講演としてシカゴ大学プレシジョン医療研究センター長 マークJ.ラテイン教授は「米国が描くがん撲滅戦略2023」と題してご講演くださいました。

ラテイン教授は「特にFDA(米国食品医薬品局)には標準量を見直して投与量を最適化するための検証を開始せよ!との圧力が年々高まっている。そしてがん患者に向けて主治医と薬剤の最適化を話し合い、それについて検討したことがあるかを尋ねてほしい。また世界中の規制当局はすべての新しい抗腫瘍薬に対して用量の最適化を求める必要があること。市販薬の低用量の研究に対しては優先度の関係からこれを急ぎ、なおかつ政府機関も研究資金の後押しをするべきである」との見解を示してくださいました。

次に本サミットの目玉企画であり医師と来場者との真剣勝負ともいえる公開セカンドオピニオンの第1部を実施。様々ながん治療分野のリーダー14人がステージに登壇。ご参加いただいたがん患者やご家族等から熱心な質疑応答が行われました。

今回は歯科医の上野尚雄医師(国立がんセンター中央病院 歯科医長)の「お口の健康とがん予防について」、また心臓血管外科の市原有起医師(東京女子医科大学 心臓血管外科講師)や診療看護師の荒木田真子氏(東京女子医科大学)が登壇され、総合的な見地からがん予防及び副作用による心不全などの啓発がなされました。これは画期的な試みです。

国立がん研究センター中央病院 歯科医長 上野 尚雄 氏
東京女子医科大学 心臓血管外科 講師 市原 有起 氏
東京女子医科大学 診療看護師 荒木田 真子 氏

司会進行を務めた、代表顧問・提唱者の中見利男氏も、質問者の意を汲んで、担当の先生だけではなく、他の先生のご意見も余すことなく聞き出し、質問者が本当に納得・安心するまで司会を遂行。

司会進行 代表顧問・提唱者 中見利男 氏

ちなみに前年まで車いすでステージに立っていた中見氏が杖や車椅いす無しで登壇した際、会場はその回復力にどよめきさえ広がっておりました。


続いて前内閣総理大臣補佐官、大阪府・大阪市特別顧問 和泉洋人氏による「がん撲滅 命輝く未来のデザイン2023――大阪・関西万博の挑戦――」。

そして日本代表講演Ⅱとして名古屋セントラル病院院長 中尾昭公氏の「すい臓がん治療最前線」が行われ、この中で「すい臓がんは5年生存率が9.6%と他のがんに比べ圧倒的に低いことから、すい臓がん検診、すい臓がんドックの早期確立が求められます。またすい臓がんになって3年、5年と生存するには抗がん剤、放射線では難しく、手術が一番です。ぜひ専門病院でのセカンドオピニオンを受けてください」とすい臓がんの診断、ご自身が開発された手術法についても大変わかりやすくご講演いただきました。

名古屋セントラル病院院長 中尾昭公 氏

さらに日本代表講演Ⅲとして、大阪国際がんセンター総長 松浦成昭氏の「珍しいがんにも光を!――希少がんセンターの設置――」が行われました。

大阪国際がんセンター総長 松浦成昭 氏

このなかで「全国に先駆けて設置した希少がんセンターがきっかけとなり希少がんや難治性がんへの理解と対策が進むことを目標にしている」との見解を示してくださいました。

続いて「ノーベル賞級講演Ⅰ」として、『クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞』を受賞されました国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長中村祐輔氏の「AIとデジタルで患者さんに寄り添った温かい医療を!」が行われ、このなかで「遺伝子解析の方法一つとっても、この国の患者ファーストに向けたがん医療改革は急がれる」との見解を示してくださいました。

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長
シカゴ大学名誉教授・東京大学名誉教授 中村祐輔氏

続いて「EU代表講演」としまして2019年の欧州臨床腫瘍学会会長で、肉腫等の希少がんを含む世界のがん医療の権威、仏レオンベラールセンター教授 ジャン=イヴ・ブレイ氏より「がん撲滅に向けたがん治療最前線2023」というテーマでVTR講演をしていただきました。

仏レオンベラールセンター教授 ジャン=イヴ・ブレイ氏

次に、「ノーベル賞級講演Ⅱ」として大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授の坂口志文氏が「がん予防薬最前線~制御性T細胞の可能性と現在」と題してご講演をいただきました。

そして公開セカンドオピニオン第2部からは内視鏡の名医・大圃研医師も加わり15名の医師が登壇。

すい臓がんのステージ4の患者の方から「私にはもう残された手立てがないのですか?」という質問に対して、医師チームが真摯に回答し、司会の中見利男氏が「希望を持ってください。希望こそ最大の良薬だと私は思います」と語りかけたシーンは実に印象的であり、本サミットの今後目指すべき「生命の追求」を如実に表したものでした。

東京慈恵会医科大学医学部疼痛制御研究講座 特任教授 上園保仁氏
(株)ヤクルト本社中央研究所 微生物研究所 上席研究員 高木陽光氏

先生方も、患者・ご家族に寄り添ったご回答で、親身に、できるだけわかりやすく説明されました。

最後に先生方から全国のがん患者の皆さんに対してエールの拍手が贈られ、今年の公開セカンドオピニオンが終了しました。

最後に米国代表マークJ.ラテイン教授、提唱者 中見利男氏による『世界がん撲滅大阪宣言2023』が発表され、会場は熱気と鳴りやまない拍手に包まれ、サミットは最高潮に達しました。このときラテイン教授と中見氏は、がんを撲滅に向けて挑戦し続けることを高らかに宣言し、両者は力強く握手を交わしました。

特に『世界がん撲滅大阪宣言2023』では、すでに相談業務や調査を担当している大阪のPMDA関西支所に再生医療、細胞医療、遺伝子医療、医療機器等の審査機能を新しく付与することで、2025年大阪・関西万博のレガシーにしていくための『大阪PMDA機能強化策』を提言していくこと、患者の副作用を軽減し経済的負担を軽くするための減量型抗がん剤の治験ネットワークを世界に広げているマークJ.ラテイン教授(サミット顧問に就任)を支持することなど、従来にない方策でがん撲滅の動きを今後益々活性化させて参ります、との内容が宣言されました。

2024年は『世界がん撲滅サミット2024 in OSAKA』が2024年11月24日(日)午後1時より大阪国際会議場にて開催されます。より一層、世界各国の人類がワンチームとなって、がん撲滅の運動を広げて参ります。
引き続き皆様方のご支援を心よりお願い申し上げます。

 

写真は大会公式カメラマン アミタマリ氏撮影。
ありがとうございました。

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