高村僚様よりご来場の皆様へのメッセージ

高村 僚 様
すい臓がんサバイバー

「世界がん撲滅サミット2022 in OSAKA」開催おめでとうございます。
 昨年、会場を東京から大阪に変更、コロナ下でありながら万全を尽くし開催にこぎ着けられた中見利男様他スタッフ皆様のご尽力に心より感謝申し上げます。
 私は2010年2月に膵臓がん初回手術、その後、2度の再発再手術を行いましたが、完治はかなわず、2015年7月からは7年間、再発膵臓がんとの共存が続いています。初回手術から殆どの治療を東京の大学病院で継続していますが、標準治療ではない免疫治療や丸山ワクチンなども実践しており、主治医には代替医療実施先に紹介状・画像・組織を迅速に提供いただき治療を続けています。
 数年前までは切除不能膵臓がんに対して長期生存可能な治療は外科手術のみでしたが、粒子線治療が保険承認され、また数々の放射線治療装置が開発され大きな成果を上げています。
 遺伝子変異や患者の薬に対する反応を考慮した個別化治療が進んできていることは大変有り難いことです。しかし2019年6月に保険承認された「遺伝子パネル検査」が、日本では治療法がなくなった患者あるいは、なくなると思われる患者しか受けることが出来ないのです。何故この様なことになっているのでしょうか?
 また、自分の専門外の治療法については全く受け付けず、標準治療以外を行いたいという患者の申出に対し「そんな事を言うのなら治療は行えないので出て行け」と言う医師が少数ながらいるのは本当に寂しい限りです。
 がん撲滅サミット今年のテーマは、「がん未来医療への挑戦!」です。
 がんの5年生存率は60%を超えるようになり、がん=死という構図はなくなりましたが、難治性がんの代表膵臓がんは5年生存率10%程度です。難治性がん研究や抗がん剤副作用軽減研究への投資、日本のがん医療を良い方向に導いていただけると確信しています。
 そして、患者もマナーを大事にしながら患者自身が主治医に対し聞いてみて下さい。きっと新しい世界が広がると思います。
 これからもがん撲滅に向かい邁進される「がん撲滅サミット」に大いに期待しています。そして、微力ながらサポートさせて頂きます、命ある限り。

●略歴
1953年11月生まれ
1977年3月 武蔵工業大学(現:東京都市大学)工学部電気工学科卒
1978年4月 電力設計会社入社
       主に送電線設計に関するシステム開発に従事
2018年   膵臓がん治療専念のため退社

●手術歴
2010年2月  膵体尾部及び脾臓切除手術
2012年5月  左横隔膜下腹膜播種切除
2015年11月 腹膜播種二カ所切除

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