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国立がん研究センター理事長メッセージ

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中釜  斉

国立がん研究センター 理事長・総長
中釜  斉

第3回がん撲滅サミットの開催誠におめでとうございます。

1981年にがんが日本人の死因第一位となり、以来、がんによる死亡者数は年々増加の一途をたどっています。国民の二人に一人が一生に一度はがんに罹ります。最近では、年間100万人以上の方が新たにがんを発症すると推定され、社会の高齢化に伴い、がん罹患者数は今後も増え続けることが想定されています。今や、がんは国民病と言えるでしょう。

一方で、がんの診断治療技術も確実に進歩しています。最近の全がんの5年相対生存率は6割を超えています。さらに改善していくためには、がんの原因究明と効果的な予防法を開発し、着実に実践することが重要です。がん検診の受診率向上による早期診断も重要な課題と言えます。

がん死亡率をさらに低減するには、がんの予防や早期診断技術の開発に加え、標準的治療の均霑化も重要な要素です。さらにこれからは、ゲノム情報に基づいて個々人に最適化されたがんゲノム医療(Precision Cancer Medicine)に大きな期待がかかっています。ゲノム解析技術の急速な進歩は、がん治療の個別化・最適化において大きな変革をもたらそうとしています。がん組織のゲノム解析の結果を臨床現場で活用するクリニカルシークエンス体制は、肺腺がんや消化器がんを中心に、実用化に向けて急速な進捗が見られます。クリニカルシークエンス体制の構築は、希少がん・小児がん等のアンメットニーズな課題を抱えるがん種に対する医療シーズ開発の点でも大きな期待が寄せられています。さらに、がんのゲノム解析技術の進歩による“個別化予防”(Precision Prevention)の領域への展開も期待できます。

一方で、がんの治癒率向上により、がんサバイバーの就労を含む社会との共生も重要なテーマです。がんサバイバーの離職率は約3割にも及ぶ現実があり、がん患者の仕事と治療の両立支援は、がん対策推進基本計画においても重点的に取り組むべき課題とされています。がん患者の就労支援を始めとする社会的な支援体制の一層の充実が望まれます。

全てのがん患者とそのご家族が、常に希望を持ち続けることができるがん医療の提供とその研究基盤の整備の推進が重要であると考えています。

最後になりましたが、本サミット成功を心よりお祈り申し上げます。

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